研究活動
当教室では現在、臨床研究および基礎研究の両面において活発な研究活動を展開しています。
臨床研究
臨床研究では、主に以下のテーマを中心に、診療に直結する高品質なビデンスの創出を目指しています。
- 全身性エリテマトーデス(SLE)の社会的寛解達成に向けたエビデンスの構築
- 抗リウマチ薬の有効性および安全性評価に関する研究
- ステロイド性骨粗鬆症の予防・治療戦略の構築
- 抗リン脂質抗体症候群および各種膠原病における血栓症と妊娠合併症の研究
- 全身性膠原病における予後改善を目的とした新規治療法の開発
これらの研究活動は、多施設共同研究を通じて国内外のリーダー的役割を果たしており、奥教授を中心として以下の各学会や研究班において重要なポジションを担っています。
- SLE診療ガイドライン作成班(2019年度版および2025年度改訂版作成)
- 日本血栓止血学会 抗リン脂質抗体部会(2024年より奥教授が部会長)
- アジア太平洋リウマチ学会 SLE班
- 補体学会(HAEやSLEを中心とした補体関連疾患の臨床及び基礎研究)
                            当教室は地域的特性から非常に多くの新規発症患者が集積されており、蓄積した豊富なデータの解析にあたっては、AIおよびビッグデータ解析技術を国内外の専門家と連携し積極的に推進しています。
                            また、近年特発性肺線維症(IPF)に対して有効性が認められた抗線維化薬を、膠原病関連間質性肺疾患(ILD)の治療にも応用する試みが注目されています。当教室では、膠原病関連の進行性線維化型ILDに対する抗線維化薬の有効性検討、ならびに運動耐用能評価や運動処方の最適化に関する臨床研究を積極的に進めています。
                        
基礎研究
                            基礎研究では、各種膠原病疾患における新規自己抗体の同定と解析を中心に行っています。また補体学会の検査センターとしての機能を担っており、補体系に関する基礎的な研究を推進しています。当教室の現在の研究テーマの一つは2024年の補体学会にて優秀賞を受賞しました。
                            さらに、自己抗体(獲得免疫)と補体(自然免疫)という、免疫の代表的な二つの領域を中心に研究を展開し、不育症や自閉症の発症メカニズムといった、より広範な疾患・病態への応用や橋渡し研究にも力を注いでおります。
                            今後も臨床につながる価値の高い基礎研究やトランスレーショナル研究を積極的に推進し、診療の向上に貢献してまいります。
                        
 
						 
					