教授あいさつ
教授 佐藤 慎二
Message from the Professor
東海大学医学部内科学系リウマチ内科学を主宰している佐藤慎二です。
当リウマチ内科学教室では、関節リウマチを代表的疾患とする膠原病ならびに膠原病類縁疾患を専門としています。膠原病の多くは、免疫のバランスの崩れによって全身臓器の障害が引き起こされる全身疾患です。そのため、患者さんを治療する場合、全身臓器の障害の程度を評価しながら包括的に治療をしていくという専門性が要求されます。しかしながら、多くの膠原病が難病に指定されているように、個々の疾患の患者数は比較的多くないため、一般の方々はもちろん医療従事者においても疾患の理解が浸透していないのが現状です。治療は、免疫のバランスをコントロールすることで臓器の働きを正常に保つことが目的で、そのために副腎皮質ステロイドホルモン薬、免疫抑制薬、生物学的製剤などが使われますが、治療中の副作用の出現も多く注意が必要ですし、ほとんどの場合一生付き合っていく疾患です。若い年代から働き盛りの年代で発症することも多く、適切な治療を行っていくことは社会全体の大きな利益になります。東海大学付属病院本院は、伊勢原に位置し、神奈川県西部を中心に県全域から遠くは静岡県東部からも患者さんを受け入れています。また、医学部学生・臨床研修医の教育ならびに医学の発展に資する研究も積極的におこなっています。新型コロナ感染にも対応しつつ、教室員全員、少数精鋭をモットーにして、大学病院の使命である診療・教育・研究に日々研鑽を続けています。
教室の沿革
東海大学医学部リウマチ内科学は、1974年、有森茂先生を岡山大学から教授として迎え第4内科として誕生した。第4内科は、当初、膠原病部門、血液部門、腎・代謝・内分泌部門の3つの部門から構成されており、膠原病部門のスタッフは有森教授、市川幸延先生、高屋正敏先生が中心となり神奈川県西湘地区の拠点病院、教育施設として礎を築いた。1987年、腎・代謝・内分泌部門は第4内科より分かれて第7内科となり、第4内科は、血液・リウマチ内科、血液・腫瘍・リウマチ内科と名称が変更となった。
2005年、聖マリアンナ医科大学より鈴木康夫先生が、血液・腫瘍・リウマチ内科のリウマチ・膠原病部門としてリウマチ内科を標榜し教授が就任。また鈴木教授は、東海大学医学部付属病院難病治療研究センター長も兼任。
2015年、佐藤慎二先生が教授ならびに東海大学医学部付属病院難病治療研究センター長に就任された。2017年、名実ともにリウマチ内科として独立して現在に至る。