教室案内

教室の沿革

東海大学医学部リウマチ内科学の発足は、1974年に遡り、有森茂先生を岡山大学から教授として迎え第4内科の一部門としてスタートし、1987年には血液・リウマチ内科、血液・腫瘍・リウマチ内科と名称が変更となりました。
2005年に、聖マリアンナ医科大学より鈴木康夫先生が、リウマチ内科部門の教授として就任し、東海大学医学部付属病院難病治療研究センター長を兼任しております。その後、2015年、佐藤慎二先生が教授ならびに東海大学医学部付属病院難病治療研究センター長に就任し、2017年にリウマチ内科として単科となりました。そして2025年4月から奥健志教授がリウマチ内科教授兼難病治療研究センター長を兼任しており、リウマチ・膠原病疾患の高度先進医療と病因解明に日々活動をしております。

教室の特色

当教室では、全身性エリテマトーデス(SLE)およびその類縁疾患である抗リン脂質抗体症候群(APS)、関節リウマチ(RA)を中心に診療・研究を進めています。これらの疾患は膠原病・リウマチ性疾患の中核をなすものであり、その病態理解は間質性肺疾患や感染症など、膠原病領域全般にわたる重要な合併症や関連病態への対応にも大いに役立っています。
研究面では、免疫学的視点から病態を深く掘り下げることに力を入れています。特に自然免疫系の異常、とりわけ近年注目されている補体異常に着目し、基礎的な研究から臨床への応用まで幅広い展開を図っています。これらの研究成果は、患者さんの治療においても新たな視点や治療法の開発につながっています。
一方、臨床現場では分子標的薬や免疫抑制薬の進歩によって、生命予後や機能予後が著しく改善しました。それに伴い、従来から使用されているグルココルチコイド(ステロイド製剤)は、合併症のリスクを最小限に抑えるため、必要な場合に限って短期間・少量で用いることが推奨されるようになっています。この治療法の進化により、単に生命予後を延ばすだけでなく、患者さんが社会生活を健常者と同様に送ることのできる「社会的寛解」を新たな目標としています。
こうした診療・研究活動を支えるのは、コンパクトで柔軟なチーム運営です。少人数である利点を活かし、スタッフ間のコミュニケーションを密にとることで情報共有を促進し、互いの疑問や不安を迅速に解消することが可能となっています。また、医局員同士が日常的にサポートし合い、業務の効率化を意識することで、限られた時間の中でも質の高い成果を出せるよう工夫しています。
当教室では、これらの特色を活かし、患者さんが少しでも早く社会的寛解を実現できるよう、チーム一丸となって診療・研究に取り組んでまいります。

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